ひとりの青年が人生や将来に不安を抱えながら
ビーチを散歩していた。
すると、遠くの波打ち際の岩に見知らぬ老人が座っていた。
青年が近づくと、老人は青年を見上げて言った。
「君が答えを得たいと思っている疑問は何だね?」
青年は答えた
「しなければならないことがとても多くて、
どれを最初にやったらいいのかわからないんです」
すると老人は
浜辺に落ちていた粗末なガラスのツボを取り上げると
そこに石を詰め始めた。
どれも彼のこぶしほどの大きさだった。
壺の口までいっぱいにすると、老人は青年に言った。
「この壺はいっぱいか?」
青年はそうだと言った。
老人は黙ってうなづき
今度は一握りの小石を拾い上げ、
壺に入れた。
彼が壺を軽くゆすると、
小石は石の間になんなく滑り込んだ。
老人は再び尋ねた。
「さあ、今度はいっぱいかね?」
青年は、
そうだと答えた。
老人は、
次に細かい砂をひと握りつかむと、
壺の中に入れた。
砂は小石と大きな石の隙間に流れ込んだ。
今度はもう隙間なく壺は完全にいっぱいになった。
「さて」と老人は言った。
「最初に砂を入れる過ちを犯す人がいる。
そんなことをすると、
小石も大きな石も入らなくなる。
君の人生も同じだ」
時間とエネルギーをささいな重要でないことに割いてしまうと
本当に重要なこと、
幸せに欠かせないことに
それらを割けなくなってしまう。
優先順位を決めることだ。
最初に大きな石を
本当に重要なものを入れることだ。
砂は放っておいてもいい。
出典:アレクサンダーロックハート著「自分を磨く方法」Discover21 2005年8月18日発行